2026/10/29

このたびバンブーペットクリニックでは、犬の混合ワクチンについて使用する製剤を見直しました。
これまで採用していた5種・10種混合ワクチンから、5種・7種混合ワクチンへ変更いたしました。
今回の変更は感染症の予防効果だけでなく、ワクチン接種後の副反応への配慮や、最新のワクチン接種ガイドライン、国内の感染症の発生状況などを総合的に検討したものです。
ワクチン変更の理由
当院では、感染症を予防することはもちろん、ワクチン接種による体への負担をできる限り抑えることも大切にしています。今回、ワクチンに含まれる成分や安全性を改めて検討し、副反応への配慮を重視して製剤を変更しました。
また、新たに採用した7種混合ワクチンには、現在のワクチン接種ガイドラインで推奨されていない犬コロナウイルスの成分が含まれていません。
10種から7種に減っても大丈夫?
今回の変更では、レプトスピラ症に対応するワクチンの血清型が4種類から2種類になります。レプトスピラ症は、ネズミなどの尿で汚染された水や土壌を介して感染する病気で、重症化すると腎臓や肝臓に障害を引き起こすことがあります。
また、人にも感染する可能性がある感染症です。
レプトスピラには多くの血清型が存在し、国内でも地域によって発生状況が異なります。
西日本などの温暖な地域での発生が知られていますが、近年では温暖化によって関東地方でも犬の感染が報告されています。
また、目黒区内の近隣の動物病院から犬でレプトスピラ症が確認されたとの情報を得ています。
レプトスピラ症は、もはや山間部や河川周辺だけで注意すべき感染症ではありません。
都市部でも感染する可能性があり、普段のお散歩など、身近な生活環境でも注意が必要です。
従来の10種混合ワクチンでも、国内で報告されているすべての血清型を予防できるわけではありません。
当院では、感染症の予防範囲だけでなく、ワクチンの成分や副反応への配慮、国内の感染状況などを総合的に検討し、今回の製剤を採用しました。
ワクチンは毎年接種する必要があるの?
近年のワクチン接種ガイドラインでは、ジステンパーやパルボウイルスなどの主要な感染症について、適切な基礎免疫が成立していれば、3年より短い間隔での追加接種は原則として推奨されていません。一方、レプトスピラ症については、原則として毎年のワクチン接種が推奨されています。
当院では、こうしたガイドラインを参考にしつつ、日本国内の飼育環境や感染症の発生状況に加え、ペットホテル・トリミングサロンなどの施設利用時にワクチン接種証明書が求められることも考慮しています。
そのため、現在は年1回の混合ワクチン接種を基本的なご案内としながら、接種歴や健康状態、生活環境に応じて個別に判断しています。
一方で、ワクチンの接種回数をできるだけ減らしたい場合には、抗体価検査で主要な感染症に対する免疫状態を確認した上で、必要に応じてレプトスピラワクチンのみを追加接種する方法もご案内しています。
なお、抗体価検査ですべての感染症に対する予防効果を確認できるわけではなく、検査結果や過去の接種歴によっては追加接種が必要になる場合があります。
また、抗体価検査の結果がワクチン接種証明書の代わりとして認められるかどうかは、利用する施設によって異なります。
その子に適したワクチン接種を
ワクチンは、種類が多ければ多いほどよいというものではなく、予防効果と安全性のバランスが大切です。近年はインターネットやSNSなどでワクチンに関するさまざまな情報が発信されていますが、その中には科学的根拠が十分でないものや、誤解を招く情報も見受けられます。
ワクチンの過剰な接種を避けることは大切ですが、必要な予防まで控えてしまうことで、かえって大切な家族を感染症の危険にさらしてしまう可能性もあります。
大切なのは、「毎年必ず接種する」「できるだけ接種しない」といった一律の考え方ではなく、その子にとって何が必要なのかを、科学的根拠に基づいて判断することです。
当院では、今後も最新の獣医学的知見を取り入れながら、わんちゃんの年齢や健康状態、生活環境、感染リスクに合わせたワクチン接種をご提案してまいります。
ワクチンの種類や接種間隔について、ご不明な点やご不安なことがございましたら、お気軽にご相談ください。









