2016.04.14更新

今回は後ろ足にできた腫瘤の摘出手術を紹介します。

結構、過激な画像がありますので、苦手な方はご注意下さい。

 

猫の右後ろ足、手術前の写真です。

腫瘤

レントゲンでみるとこんな感じ。

レントゲン

半年前から腫れていたそうですが、ネットで調べたところ肉球の炎症はなかなか治らないと書いてあったので、お忙しいのもあり放置してしまっていたとのことでした。

一部分だけだった腫瘤が指まで波及し、大きくなってきて出血してしまい来院されました。

ネットでいろいろと調べるのは悪いことではないですが、それだけで勝手に診断してしまうのは危険です(・A・)イクナイ!!

 

院内の細胞診では特別悪い細胞は検出されず、場所が場所なだけにまずは内服と被覆(包帯)で様子を見ることにしました。

 

しかし、出血がなかなか止まらず、今後も拡大していくことが予想されたので、手術をして病理診断をすることを提案しました。

ただ問題は腫瘍がきれいに取れたとしても、皮膚が大きく欠損してしまうということ。

乳腺腫瘍などでは大きく皮膚を切除しても問題なく寄せることができるのですが、ここは皮膚に余裕がないので困難が予想されます。

また、大きくなってしまった指はさすがに腫瘍だけ取り除くことは無理なので指ごと切除する方針にご同意頂きました。

 

[閲覧注意]ここから手術画像です!

 

 

腫瘤が血管や指を動かす腱とからまっているので慎重に剥がしていきます。

絡まっている

 

 

 足の裏に発生しているだけと思われた腫瘤は足の甲の方まで入り込んでいました。

甲

幸い腱などと癒着はないので、時間はかかりましたがきれいに剥がすことができました。

 

 切除が完了したところです。

切除完了

かわいそうですが、指は1本切除しました。

 

さて、ここからが本番です。

皮膚を引っ張ってこようと思っても、ほとんど動きません。

 

 足の側面を切って皮膚を引っ張ってこようとしましたが、これでも全然足りません。

フラップ

 

 

 結局、太ももの部分まで切って皮弁を作成することで、なんとか寄せることができました。

大きいフラップ

遠慮してあまり切らずに無理やり皮膚を引っ張って縫い付けても、足を曲げ伸ばししたら縫合部が張って裂けてしまうので余裕をもって皮弁を作成します。

 

 

 皮下組織を寄せて仮縫いの状態です。

皮下組織縫合

 

 

 皮膚を縫ってきれいにしたところです。

術後

強い張力はかかっていないので皮膚は裂けないでいてくれるはずです。

 

 

 足の甲側。

甲側

 

 肉球側。

肉球側

 

 

 しばらくは足の曲げ伸ばしができないようにするためと、漿液の貯留を防ぐため軽く圧迫した包帯を巻いておきます。

圧迫包帯

 

写真はないですが2日目に包帯を外したところ、大きな問題はなくスタスタと歩いてくれたので退院としました(・∀・)イイネ!!

 

術後一週間の様子です。

抜糸

一部ジュクジュクしたところはありますが、触っても痛がらないし腫れもなく、傷口はしっかりとくっついていたので抜糸することができました。

わずらわしい包帯ともおさらばです。

 

歩く様子も問題ありません( ´∀`)bグッ!

 

 

残念ながら病理の結果は悪性の腫瘍(軟部組織肉腫)でした。

今後の治療の選択肢は積極的な順番から①断脚、②抗癌治療、③経過観察です。

 

相談の上、せっかくきれいになったので、とりあえず②抗癌治療で再発の抑制を試みることとなりました。

投稿者: バンブーペットクリニック